生きる力 炎のことわざ
いろはがるた
ろんよりしょうこ
ろんごよみのろんごしらず
別冊太陽「いろはかるた」(平凡社)
いろはかるたの2番目は「ろんよりしょうこ」。
これは江戸で、上方は「ろんごよみのろんごしらず」なんだ。
いろはかるたの人物が持っているのは何だい?
藁人形だ。
藁人形? 何に使うんだろう。
丑三つ時に神社の木に五寸釘で藁人形を打ち付けるんだ。
何のためだ。
呪い殺すためだ。
藁人形の心臓を釘で打ち抜くのかい。
まあ、そういうことだ。
呪い殺す相手を藁人形で見立てるわけだろう。
そんな恐ろしいことをしていたのか。
呪いの呪文もあるようだけど、
呪い殺そうとした証拠が藁人形ということなんだろう。
だけど、「ろんよりしょうこ」って
本当のことをついてないかい。
そうなんだ。
えん罪で死刑判決を下された人が
再審で無罪になることがままあるよ。
そうだよ。警察が悪だくみして自供を強要したりしたんだね。
心理作戦で追い詰めたりするんだって。
証拠だって捏造しちゃうんだ。
そんなことして警察や刑事が得することがあったんだろうね。
犯人にしたてて一兆上がりってことがあったんだ。
だから、「ろんよりしょうこ」って
自供より証拠っていう原則を言っているんだね。
日本将棋協会の谷川会長が辞任する。
竜王などのいいつのりに押された結果、
証拠のない三浦さんの処分をしちゃったんだな。
なるほど。で、江戸時代にはでっちあげはあったんだろう。
拷問でやったことにさせられちゃうことがあっただろう。
それで、上方では「ろんごよみのろんごしらず」なんだ。
「ろんごよみ」は儒学者のことだけど、
立派なことを言ってるけど、
口だけで、行いがなっていない
ことを言ってるんだ。
「ろんよりしょうこ」と
一脈を通じるところがある感じがする。
医者の不養生、紺屋の白袴なんていうのと同じ部類かな。