強く生き抜く 炎のことば
経木の復活?
たこ焼きを買ったら経木の舟に乗っていたよ。
銀だこかい。
いや一休だよ。
銀だこは、経木についてうんちくを言ってるんだ。
そうですかい。
特別に厳選した経木を使ってるんでんすな。
そうみたい。
銀だこはたこ焼きを油で揚げてカリッとした食感を出しているからね。
油やソースがしみださない様に、
たこ焼きはビニールを貼った紙の舟が多いんじゃないかい。
経木ってそんなに高くないんだよ。
昔は、食品の包装は経木だったね。
味噌は味噌樽から大きな杓子ですくって
秤の上に経木を乗せて味噌を乗せて計った。
肉屋は肉、コロッケ経木で包んでくれた。
おにぎりだって経木で包んで売ってたね。
そうだね。
魚屋は経木の舟に刺身を乗せて。
それで船盛っていうんだね。
やや、や。それは違うんじゃないか。
木で作った船の模型に刺身を盛ったのを船盛と言うんじゃないかい。
おお、そうだったかいな。
納豆売りは経木で三角に包んだ納豆を売っていた。
経木はよく働いたね。
それがたこ焼きで復活だ。
刺身だってプラスチックのトレイに慣れちゃったけど、
経木の舟は温かみを感じないか。
そうかな。
単に懐かしいだけじゃないかい。
経木はもともと坊さんが経を書いていたんだ。
紙が高いんで代用したんだろうね。
古代では木簡に経を書いて練習していたんだね。
書いては削りで、何回でも練習できるんだね、
食べ物と経木は長い間深い関係にあったんだね。
経木だなんてありがたい言葉だねえ。
なんまいだ。