生きる力 炎のことば
正という字は一度止まれと書く
ラジオを聴いていたらお坊さんが「正しいという字は一度止まれ、
と書きます。」と話していた。
お坊さんは「○○という字は」という話が得意だね。
親という字は、がいい例だ。
「正」は「一+止」だね。
白川静博士の字源説では
「甲骨文や金文では一は□の形で、
城郭に囲まれている邑(むら)。
止は足跡の形で、
都邑に向かって進撃する意味で、
その都邑を征服することをいう。」
と説明している。
一と止に分解するのは字源とあっているんだね。
そう。
ただ、お坊さんの話は一度止まって周りを見回して、
状況をしっかりと確認しなさい、
そうすれば正しい方向が見えてくる
という話なんだね。
一度止まる、と言えば「一旦停止」ということばがあるよ。
ラジオでJR東日本が踏切で一旦停止をというCMを流している。
故郷に帰って美しい山河、きれいな空気に気が行ってしまい
踏切で止まらず…という場面設定だ。
一旦停止なんだね。交通法規では一時停止だよ。
そこなんだ。交通法規では一時停止だ。
「一時」は「いちじ」と「いっとき」の読み方がある。
交通法規では「いちじ」だ。
「いっとき」は「一時避難場所」を
「いっときひなんばしょ」と振り仮名がふってある自治体があるよ。
「いちじ」と「いっとき」ではニュアンスが違うかなあ。
踏切で一時(いちじ)停止は車を止めて左右を見る、
わずか「10秒くらい」かな。
「いっとき」は何時間もということもあるんじゃないか。
そうか。
踏切では「いちじ」より「いったん」の方が言葉の感じがいいと思う。
「いったん」は「どっこらしょ」という感じの間がある感じがするかな。
運送会社のトラックの後部に
「横断歩道の手前で徐行、一旦停止」
と書いてある車がある。
横断歩道の手前で車は止まらないね。
小学生が手を挙げていても止まらない車もある。
横断歩道で車を止めたら、後ろの車に追突されたという話もある。
ひどい話だなあ。
「一旦停止」は踏切や横断歩道で
「どっこらしょ」と間をとって止まる感じがするんだけど。
「いちじ」は「間に合わせ」というニュアンスもあるし。