掱手
中村文則の『掏摸』が話題になりました。
家人は吉祥寺で、人だかりの後ろで何をしているのか見ている間に、バッグの中から財布をスラれてしまいました。
スリはお金の臭いをかぎ分けるといいますが、財布の中身はカードの他は買い物をした後でわずかしかありませんでした。
明治時代に、スリの大親分仕立屋銀次は子分が数百人いたといいます。
今から10年前、山手線の西日暮里駅で韓国の武装スリ団の大捕り物がありました。
スリは時代により変わって来ました。
スリを中国語でどういうか中日辞典を調べていたら、「扒手」という語が目につきました。「扒手」と同じ意味で「掱手」という語があるのを見つけました。
「掱」は手が三つ、たくさんの手があるのがスリのイメージのようです。
スリはたくさんの手を持っているように一瞬の間に、財布を抜き取る技を持っているのでしょう。
伝統的な漢語では「掏摸(トウバク)」と書きます。
「掏」には、する、かすめとる、という意味があります。
上記小説のタイトルの漢字です。