生きる力 炎のことば
倜儻不羈
「てきとうふき」ということばが出てきたよ。
どう書くのか説明したように思うけど、書けなかった。
辞書で調べて、こんな難しいことばがあったんだと思ったんだ。
「適当付記」なら書けるけどね。
司馬遼太郎の『この国のかたち』の中に出て来て、
才能があり型にはまらない人のことらしい。
坂本竜馬がそれで、姉に髷をきれいに結ってもらっても
ぐちゃぐちゃにしちゃったというはなしだった、ように覚えているけど。
単なる変人のようでもあるよね。
そうだね。後に活躍したから評価されているんだよ。
倜儻不羈をネットで調べたら、同志社大学の教育理念の一つだった。
「自ら行動する力を育み、一人ひとりに自分の可能性を気づかせる同志社に
受け継がれる、 倜儻不羈(てきとうふき)という言葉は、才気がすぐれ、
独立心が旺盛で、常軌では律しがたいことを意味します。
同志社では一方的に指導するというスタンスではなく、生徒の可能性を信じて、
個性を大切にし、一人ひとりが自発的に行動して自分の力を発揮できるよう
努めてきました。」
と出ている。
独立自尊でもいいんじゃない。独立自尊なら難しくないから分かるけど。
倜儻不羈なんて四字熟語があるの?
『岩波四字熟語辞典』には載ってない。漢和辞典では「倜儻」と「不羈」に
分かれて載っている。別々の熟語をくっつけたんじゃないのかな。
「独立不羈」なんてことばもある。
こんな漢字これからも使わないから。
作家は難しいことばを調味料のように使う傾向があるよ。
浅田次郎の小説はやさしいことばで綴っていることが多いけど、
難しいことばがポンと出て来たりする。
文章の辛味。ピリッとするのかね。