社会のことば
あらいぐまラスカルは悲劇の物語だった
🐭 東京・赤坂にアライグマが闖入して、警察官や消防署員が
出動しててんやわんやの大捕物になりました。
🐰 テレビで大々的に報じられました。
何て言っても史上初の出来事だったんですね。
🐭 見たことなんてないですから。
狸のようなものがいると通報があり、
赤坂署員が駆け付けると、体長50~60センチほどの
アライグマが木の上にいました。
🐰 大暴れして、木の上に逃げたんでしょう。
🐭 高い所だったため、東京消防庁からなんとなんと
空中作業車が出動。
消防隊員が木にはしごをかけ、網で捕まえようと近づいたのですが、
なかなか下りてこませんでした。
2時間半くらいたって、消防隊員が木をぐらぐらと揺さぶると、
たまらず下りてきたアライグマはいったん網に収まったんですが、
必死のアライグマは動き回りはい出して遁走しました。
近くの路地に逃げ込んだところを、
消防隊員に手で取り押さえられました。
🐰 大江戸捕り物帳でありましょう。
🐭 まさにお江戸の赤坂での大捕り物。
取っつかまったアライグマは北米原産。
日本ではテレビアニメ「あらいぐまラスカル」で人気を博し、
1970年代後半からペットとして大量に輸入されました。
ところが環境省の担当者によると、成長するとでかくなり飼育が難しく、
捨てられたり、飼育施設から逃げたりして野生化が進んだといいます。
「あらいぐまラスカル」もでかくなりすぎて飼えなくなって
悲の結末が待っていたのであります。
「特定外来生物」に指定され、輸入や販売のほか、
飼ったり野外に放したりすることも禁じられています。
🐰 大きくなりすぎてペットとして飼いきれないんですね。
🐭 今年8月発表の最新調査では、増えに増えて都内でも
農業被害などが報告されており、13年度から防除実施計画を作り、
駆除しています。
16年度の捕獲数は599頭と10年で10倍になっています。
多摩地域が多いが、23区でも捕獲されているそうです。
🐰 赤坂には出てこないが、都内にもいたんですね。
🐭 ところで、タヌキとアライグマの区別は難しいんです。
新宿区で会社に侵入した動物がタヌキだといわれて、
新聞にもタヌキだと書かれていました。
でも、顔や尻尾はアライグマのようでした。
🐰 赤坂でもタヌキがアライグマか区別はむずかしかったんでしょう。
🐭 専門家が判定したんだと思います。
赤坂にタヌキがいたって不思議じゃないでしょう。
🐰 江戸時代からタヌキは棲んでいたでしょうね。
🐭 タヌキは人に寄り添って生きていますし、
凶暴じゃないです。
🐰 アライグマは凶暴なんですね。
可愛いのは子どもときだけ。
ラスカルで強調するべきだったんです。
🐭 マングースのように駆除を徹底すれば絶滅できまする。
🐰 そうだ。マングース殲滅作戦を真似しよう!